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はじまりの美術館1周年記念祭参加レポート

2016年5月13日

2015年6月7日日曜日、福島県は猪苗代の「はじまりの美術館」が1周年を迎えました。当日行われたイベントの参加レポートです。

猪苗代は数日肌寒い日が続いていたようですがイベント当日は快晴で、汗をかくくらいの気温でした。絶好のイベント日和ということで家族連れの来場者がとても多かったです。

小学生以下は入館料が無料ということで、普段からここに馴染みのある子供達が多く集まっていました。
館長の岡部さんは「子供達はいつも来て宿題したり遊んだりして荒らしていきます」と楽しそうに仰っていました。

美術館では「TURN/陸から海へ ひとがはじめからもっている力」という合同企画展が行われています。

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実際に触れることのできる作品で来館者が最も盛り上がっていたものが、島袋道浩さんの「輪ゴムをくぐりぬける」という作品です。

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子供から大人までみんな頭から輪ゴムをくぐり、とても賑やかな一画になっていました。

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美術館のなかはこの通り、ずっと人でいっぱいでした。

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安積愛育園理事長・佐久間啓さんによる挨拶が行われました。
「1年経ってはじまりの美術館が地域の方に親しまれる場所になったと思います。
様々な感性を通じ、みんな同じ人間なんだと思えるような場所になってほしい。
地域づくりのお手伝いをしながら、猪苗代の皆さんといろいろ考えていきたいです」
と述べられていました。

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次いで館長の岡部さんより来賓紹介があり、弊社を代表してGEISAI実行委員長 綛野、トークイベントを行う精神科医の高橋龍太郎先生が短い挨拶をされました。

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その後、「ナナカマド」が植樹されました。
この樹はとても頑丈だそうです。

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来賓が植樹を行った後は子供達による植樹です。
みんな楽しそうに土をかけていました。

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記念植樹が行われている間、最後にバルーンリリースを行うため来場者に風船が配られていました。風船が空に一斉に飛んだとき、歓声が上がっていました。

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午後からはアートコレクターとしても有名な高橋先生と、同じく精神科医の理事長のトークショーが行われました。モデレーターはAITの塩見有子さんです。

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「Dr.s トーク~TURN/陸から海へを診る」と題されたこのトークイベント、初めはアートコレクターとして高橋先生のお話が始まり、「模倣行動」などを例に日本美術史について話されました。

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佐久間理事長は「いろんなものを作る人やいろんな感性を持った人がいる」「そういう人たちの作品を取り上げていたら日本財団の方が手伝ってくれた」等、はじまりの美術館ができたきっかけについて感慨深げに。

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また、高橋先生は「意識的にアートを作る生命体は人間に許された特権で、アートとは脳の過剰さの最終的な到達地点なんだと思う」とも。「人が生まれながらに持っている力」として、企画展のコンセプトに繋げ、最後まで盛り上がっていました。

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トークイベントの後は美術家の青山ひろゆきさんを講師にライブアート「いきもの追いかけっこ」を行いました。
大きな布を広げてそこにプロジェクターで猪苗代湖を泳ぐ鴨の映像を投影します。

鴨の動く軌跡をみんなで筆で追いかけ、ひとつの作品を完成させます。
この大きな布は仮設住宅で使用していたものだそう。不必要になったものでも捨てるのではなく、子供達が喜ぶイベントに使用しています。

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子供達が大勢参加してどんどん描いて行きます。

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完成した絵はこちら。
それぞれの思い思いの線が重なりあって、カラフルな絵ができあがりました。

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完成した絵の前にシンガーソングライターのChacoさんが登場。
既にはじまりの美術館で2回ライブを行っているそう。

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最後に安積愛育園ディレクターの村上さんがご挨拶をされました。
これからのはじまりの美術館も地域に愛される場所であってほしい、と仰られていました。