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「New Day基金」1st プロジェクト「はじまりの美術館」

2014年6月26日

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ニューヨーク・クリスティーズにて開催されたチャリティオークション 『New day』で寄付した団体の一つ 、笹川平和財団USAでは本体である日本財団によって「文化醸成を通じて、東北から新しい日本をはじめる」を理念に「New Day基金」が設立されました。

そして、その最初の事業として準備が進められていたのが、福島県猪苗代町で、6月1日に開館の時を迎えた「はじまりの美術館」。

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郡山市を拠点とする社会福祉法人「安積愛育園」による、障がい者らの作品「アール・ブリュット」を軸に据えた美術館でありながら、同時に、震災により集まる場を失った地元の人びとが集い、そこから明日への活力が生み出されるような場を、とのことで、日本財団のメンバーが地域住民とともに話し合いを重ね、1年以上の月日をかけて構想が練られました。

美術館名は「新しい日本をはじめる」という基金の理念から命名されています。
建物は、地元で「十八間蔵(じゅうはっけんぐら)」という名で親しまれてきた築127年の酒蔵。
およそ十八間(約33m)の一本の梁が特徴的な歴史的建造物です。

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老朽化と震災の中にあっても、倒壊せずに残り、「歴史を重ねた蔵を大切に保存したい」という地域民の願いを受ける形で、震災後の地域に親しまれる新たな拠点として生まれ変わることになりました。

当初、建物自体は残っているが『末期症状』として復旧を諦める声も多かったなかで、大阪にある無有建築工房様が担当され昔ながらの工法で大勢の大工さんの手作業で見事に生まれ変わりました。

壁や材木等を新たに生まれ変わった姿がこちらです。

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また、プロジェクト発足当初から、『美術館は、地域住民の方々が集える場所にしなければならない』『造って、それでお終いではダメだ』という声が多くあり、コミュニティデザインを行う『studio-L』さんとの連携で様々なワークショップやヒアリング調査を行い、地域に根づく美術館づくりを目指してきました。

その様子は、瓦版「はじまりだより」を発行して地域の方に配布され、facebook( https://www.facebook.com/hajimarinohajimari )でも配信、理想の美術館づくりのため地道な準備作業が進められていました。

引き続きNew day基金を基に、3年以内に、被災地にこうした拠点を6カ所ほど作る予定です。